昔のことだ。高校生の筆者はバイクに乗りたくて仕方がなかった。
その当時、ビックスクーターや単車、あるいはスクーターにまたがって日常的に登場したり電車を使わずに遠出をしたりしていた友人たちが、あまりにかっこよく見えて本当に羨ましかった。
筆者はコンビニへ行き、バイク王などのバイク情報雑誌をよく立ち読みしていたし、買って家で眺めたりする事が趣味だった時期があったのも今でも懐かしく覚えている。
そんな筆者は友人たちの中で誰よりも先に車の免許を取った。
しかしそれでもバイクに乗りたかった。
自分で車を買う金もなく、家の車は全然イケてない。
それなら維持費も安いビックスクーター、いやせめてスクーター、とまだ同じ事を考えていたのである。
ではなぜそんな強烈なバイク欲を持った筆者がバイクに乗らなかったか?
それは親に禁止され、小さい頃に「免許の代金は払ってあげるからバイクだけは乗ってはダメ」と指切りげんまんの約束をしてしまった為であった。
バイク雑誌を楽しそうに眺めるほど乗りたがっていたのに約束は守っていた筆者のこの義理堅さ、自分自身を愛おしく思うのはこんなときである。
禁止の理由はバイクは車に比べても危険が多いというものだった。
いくら「あれはロマンなのだ」と言えど、不安定な二輪の上に生身の身体が外に出ているわけだから、転んでしまっただけで大怪我の可能性さえあり、最悪死亡につながる事故も多いのは確かに事実である。
そんな筆者が、「もしこんなものが当時あったら親を説得して乗っていたかもしれない」と思う乗り物が近年発表されている。
それこそが今回紹介するようなミニカーである。
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電動四輪ミニカー『BIRO』がある青春。彼女の家まで夜中でも会いにいける青春。
その中でもイタリアのエストリマ社より発売された100%電動のパーソナルコミューター『BIRO』はとりわけスタイリッシュ。
車体にカラフルなカラーを入れつつもベースの黒がどこか落ち着いた大人の余裕を感じさせるものである。
日本では2017年4月26日より日本1号店となる「BIRO STORE Osaka」がオープンされている。
『BIRO』のホームページ上に「エストリマはBIROによって、都市での人々の生活における毎日の移動を簡単にしたいと思っています」と述べられている。
たしかに今まで電動のミニカーがいくつか発売されてきたが、この『BIRO』はとりわけ筆者にも「街中の日常風景が今後大きく変わってゆく」というイメージを最も与えてくれたものだと言える。
『BIRO』のベーシックカラーは白、緑、黒の三種類で、個別に多様なオプションカラーが用意されている。
全長174cm、高さは156cm、横幅は103cmと非常にコンパクトな為、スクーター程度のスペースに駐車可能。
『BIRO』は日本ではミニカーのカテゴリーに該当し、法定制限速度は60km。
普通自動車免許を持っている人であれば誰でも運転することが出来る。
また車庫証明も車検も不要で、維持費もほとんど原付きスクーターと変わらない。
またBIROのバッテリーは2タイプとなっており、走行距離約50kmまでの取り外し簡単な脱着式タイプと、約100kmまで走行できる固定式タイプの2種類のリチウムバッテリーを用意されている。
ん、固定化?と首をひねった筆者であるが、固定化はバッテリーが取り外しできないけれど、ケーブルと100V電源を使って充電する事が可能らしく、毎日長距離を運転する人の為にデザインされたようだ。
バッテリーは2〜4時間の間に充電が完了するようで、自宅やオフィスなどで手軽に充電可能なため、従来の特別なバッテリーシステムは不要である。
『BIRO』はカードキーでセキュリティもバッチリ
車体には大小様々なトランクルームが装備されており、またスマートフォンと接続出来るUSB電源やBluetoothスピーカーも内蔵されている。
また、始動のキーもカード式、お財布に入れて管理出来るし、ルーフとリアウィンドウは天気の良い気持ちのいい日には開けることが出来る。
何もかもがなんともおしゃれである。
また、筆者がバイクを禁じられていた理由である安全性を忘れてはいけない。
厚く高密度なABS樹脂のボディやヘッドレスト、アームレストは高い衝撃吸収性能となっており、小型ながら全身が守られる感覚は、心配症なパパ・ママを説得するには重要な要素である。
世界的なガソリン車の販売禁止。こいつはEV革命の風雲児や!
今世界は大きくEV車両の方向に舵切りを行っている。
今後より多くのEV車が各社より発表されEV合戦が巻き起こる事が予想されるが、その中でこのような小型のEV車もより多くの人々の耳目を集めるのではなかろうか。
既に小型のEV車は世に出されている。
辛辣な言い方をすれば、それらは概して今回紹介した『BIRO』より少々「古い人たちが考える未来的デザイン」という感じだ。
確かに映画のような未来の姿がやってくるのであれば、近い将来はそのようなデザインが街にあふれる事も十分にあり得るが、しかしこれまでこの『BIRO』ほど未来へ人より「一歩」先取りさせてくれる感触を持たせる、あるいはイメージさせてくれるミニカーはこれまでなかった。
そんな印象をミニカー評論家の筆者は受けたのである。(大嘘)
『BIRO』は、筆者に真面目に語らせてしまう程、未来の風景を感じさせる商品だったのだと最後にまた強調をしておきたい。
参照元: BIRO公式サイト