筆者は昔、よく独り言を呟いている人間であった。
道などで見かけないだろうか。
そう、ぶつぶつと喋っているあいつである。
筆者は自分で考えたことにその場で答えを出す、そのプロセスの楽しみの虜になり、自分で質問を投げては自分で回答を出して遊んでいたのだ。
完全にヤバいやつである。
寂しかったのかもしれない。
誰か隣にいて、筆者が「これってなんでだろう」と聞けば、「あーそれはこういう理由だってのも考えられない?」と言ってくれるだけで、きっと筆者は満足だったはずだ。
そんな当時の筆者に未来からプレゼントをあげたい。
そう思える商品が現代にはあるのである。
その名も『Vinci』。
『Vinci』それは「身の回りのお世話をしてくれる」秘書のようなヘッドホン
ニューヨークに拠点を構えるInspero Incによって世に送り出される事となったこの「Vinci」は米国クラウドファンディングサイト「Kickstarter」や「INDIEGOGO」で資金が集められ、「INDIEGOGO]では$1,297,177(約1億4千万)もの出資が決まったAI搭載型の超注目の3Dサウンドワイヤレスヘッドフォンである。
同アイテムの最も注目される点はやはり人工知能(AI)によって駆動されているパーソナルアシスタントを搭載している点である。
「ヘイ、ヴィンチ!」の一声で起動するこのアイテムは、音声でコミュニケーションを取ることができるだけでなく、音声での指示で音楽の再生・停止が可能で、天気予報やジョークまでVinchと話しながら教えられる事も出来るのである。
カラーは黒/白/シルバー/赤/ライムイエローの5種類から。
内蔵ストレージは32GB、その中に音楽を携帯などから送って保存し流すのは非常に簡単である。
また『Vinci』は特別スマホを持たないで単体で外に持ち出しても平気なのである。
Wi-Fi/3Gデータ通信に対応出来るため、Amazon Musicの音楽を再生したりする事も可能だ。
ちなみに音楽の音量は耳横の画面を上下に軽くスワイプしたり、音楽のスキップは横にスワイプしたりと手軽なタッチ操作も可能である。
データ通信に対応することから、音声でそのままUberで配車を頼むことだって可能だし、ランニングしながら「ビリー・ジョエルが聞きたい」とか「この辺にうまいラーメン屋あったっけ?」とか、道順や有名スポット、あるいはリマインダーの通知だったりあらゆる情報提供をしてくれる。
さらに、『Vinci』はユーザーの習慣や好みを独自に学習してくれる。
さすがはAIである。
ユーザーの活動状況や心拍数、ランニングのペースなどもそうだが、その状況に合わせて音楽まで選んだりしてくれる為、もはやどのような音楽がいいか、迷ったりする必要もなくなるようである。
外部のノイズを遮断し軽減するテクノロジーが、どれほど騒音のうるさい環境でも常に快適な音声認識を可能にする為、市街地でもランニング中でも、どこでも使えるのがこの『Vinci』というわけである。
さてお待ちかねの気になるお値段。
ここまでの製品、さぞお高いんでしょう〜?と思われるそこの奥さん。
さっすがお目が高い。
これほどの商品ですから、「ENDIEGOGO」のサイトでお値段確認しましたところやはり$129はするそうです!
ん?
$129(約14,000円)?
さらには今なら特別セールで$99(約11,000円)?
なおかつVinch Proまで$189(約21,000円)!?!?!
ちなみにこのVinci Proはストレージを16GB増量されアクティブノイズキャンセル機能やワイヤレス充電機能を搭載されたもので、カラーはブラック/白/イエローの三色種しかないようだが、どうせならProを買いたいものである。
という事でまた戻らしてもらうが、ちょっと安すぎではないか!?
さすがにこれは焦る。最近I phoneもまた新機種が出て、こんなデバイスは常に10万円近くいくという認識の中で、まさか2万円のあたりで攻めてくるとは、想像もしていなかった。
恐るべし、Inspero Inc…。
ともにVinciの性能や特徴などについて見てきながらふと思ったのだが、
これは完全に秘書ではないか・・・有能な、秘書になる可能性があるではないか・・・。
AIテクノロジーは人間の仕事を奪う、とはよく言われてきた事だが(同時に生み出すとも言う識者も多いが、しかし現在の単純労働が減ってゆくのはおそらくそのとおりであろう)、しかしこんな形で、未来の秘書の姿に立ち会う事になるとは、というのが筆者の感想である。
個人の秘書をつけると思えば、随分と安い値段で秘書が雇えるものだ。
視点をこのように変えると、この値段で買わないのは本当に損に見えてくるのではないだろうか。
参照元: INDIEGOGO